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Akyaのリコンフィギュァラブル・ロジック・テクノロジー (Akya Reconfigurable logic Technology, 略称:ART) は、所謂『再構成可能型論理回路』に新しい活動の舞台を与えるテクノロジーです。ARTは、価格と消費電力に敏感な市場の製品に、論理の再構成以外の手段では達成困難なさまざまな特性を持たせることを可能にしました。これを『ARTは低コスト・低消費電力を指向する論理設計上の諸問題に新しい解決手段を提供するテクノロジーである』と言い直すこともできると思います。
当社は、ARTの開発にあたり、低コスト・低電力デバイスを設計する局面においては『ART手法』が『カスタムRTL設計手法』と競合するであろうことを、メソドロジーの構想段階から常に念頭に置いて開発を行いました。その結果として、ARTは、ART準拠デバイスの設計および製造の当事者とそのユーザーが、継続的に押し寄せる厳しい価格競争や、短い商品寿命、絶えず変化する工業標準等今日的な市場環境に柔軟に対応するための、有力な手段を提供する新技術として誕生しました。
ARTの利点
ARTがチップメーカーにもたらす主な利益は下記の3点です;
- 設計の早さ:
- 新チップの設計にARTを用いれば“通常手法”よりも早く設計を仕上げることができます。 [ここで “通常手法”とは機能が固定的なRTLベースの設計を意味します]
- 既存チップの設計変更が必要なとき、ARTベースの設計への変更は、RTLベースの設計への変更よりも圧倒的に早くこれを行うことができます。
- それゆえ、ARTの利用により、タイムツーマーケットが著しく改善されます。
- 設計の容易さ:
- 最もありふれたタイプの設計過誤の大半は、ARTベース・デバイスにおいては、ファームウェアの変更だけで簡単に修正できるので、シリコンに遡って修正する必要がありません。設計に“通常の手法”を用いたチップの場合は、シリコンの再試作 (re-spin) が必要なことも稀ではありません。
- 適切に設計されたARTデバイスでは、前記の利点に加えて、新機能の導入や規格変更への対応を、ファームウェアの更新だけで達成できるという特徴があります。もちろん新シリコンは必要なく既存チップ上でこれを行います。
- シリコン面積と消費電力の節減:
- ARTは、消費電力とシリコン面積とに過大なオーバーヘッドを賦課することなく、上記の諸利益を実現します。この点が他の類似技術にはない特徴です。
- ARTは、消費電力とチップ面積とが、両者ともに重要関心事になる分野で使われることを最初から意図して開発された手法です。『全ゲートと全クロック・サイクルとに漏れなく意味づけがなされているようなカスタム・ハードウェア』の『置き換え手段』を提供することをその目標としています‐これがART設計思想の中核。
ART手法自体は、あらゆる点で汎用的使用に耐える能力を持っていますが、あるひとつのARTデバイスに注目するならば、そのデバイスは、応用分野を特定の領域に絞った設計となっています。この事実が、すなわち応用を特定領域に絞ることにより、ARTデバイスにおいては、他の汎用指向のテクノロジーの場合には必要な多くの無駄(overhead)が省かれています。
応用分野
ARTは、論理機能の再構成能力が要求されるデバイスであれば、それがどんな応用を狙うデバイスであれその要求を満足します。再構成の可能な程度は、設計時点で行われる様々な決断に依存します。それゆえ、再構成によってカバーされる範囲は、たとえば1個のSoCで異なる工業標準をサポートするためにインターフェースの挙動を変えるといった限定的再構成能力から、汎用CPUやDSPの柔軟性に似た高度な再構成能力まで、様々なオプションを考えることができます。
ARTの応用として直に思い浮かぶ明らかなターゲットは:
- 変化の激しいコンシューマ製品:
- 多数の変種製品を1個のシリコン設計でサポートする能力
- フィールド・アップグレード;新機能への対応やバグ修正をフィールドで行うこと
- シリコン面積の節約;複数の工業標準をシリコン・リソースを共用してサポートすること
- 工業標準の進化への対応:
- 規格制定前の製品(pre-standard equipment)を、ファームウェアの更新で規格準拠製品に変身させること
- 低電力フレキシブル・デバイス(携帯マルチメディア機器、携帯電話、車載部品、GPS):
- ARTベース・ソリューションは、汎用CPUやDSPの持つ柔軟性を僅かな消費電力で実現
- 少量生産品への対応:
- 個別需要が少量の同工異曲の製品群を、1種類のシリコンを使い、その論理を再構成してサポートすることができれば(ファームウェアで区別)、そういうシリコンを新規に起こすに足る生産規模が確保される状況も大いに考えられる。
- カスタム化可能なASSP (Customisable ASSP):
- ASSPメーカーは、使うアルゴリズム中の鍵となる時点で、意味ある量の計算リソースを、即時にデータパス中に用意することが可能な形態でチップを出荷することができます。それゆえ、当該ASSPのユーザーは、専用アルゴリズムを実装して機能を変更したり、既存アルゴリズムをモディファイしたりすることが可能です。
- 機能上の柔軟性が要求される製品:
- ART準拠部分を含む1種類のデバイスで複数の最終製品をサポート可能。
- さらなるコスト削減効果;たとえば完成品のスピード区分を行えば、高速デバイスにはハイエンド製品用の高度なアルゴリズムを使い、低速デバイスにはエントリーレベル製品用の複雑度の低いアルゴリズムを使うといった使い方が可能になります。この類の応用例に、標準解像度画面から高解像度画面への画像スケーリングがあります。高級テレビにはおそらくbicubic補間が使われ、エントリーレベル製品には多分bilinear補間が使われるでしょう。ARTベースのハードウェアであれば、同一ハードのコンフィグレーションを変更することにより、これら何れのアルゴリズムでも走らせることができます。
ARTは再構成可能型デバイス(reconfigurable devices)の設計を容易化するIPです。そしてARTをベースに設計されたデバイスは、消費電力とシリコン面積効率の点で、RTLベースの固定配線デバイスに近い性能のデバイスとして実現されます。
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